2020.09.18

vol.7「首都圏の秋田県関係者の皆様へ」

拝 啓

皆さん、お元気ですか?

私は秋田市在住の金子治生と申します。

定年退職の直前の2年間(2018年4月から2019年3月まで)、

永田町駅から1分のところにある秋田県庁の東京事務所に勤務していまし

た。

その節は、在京秋田関係者の皆様には公私ともに大変お世話になりました。

改めて感謝申し上げます。

2017年3月末。予想もしない東京への異動辞令。

晴天の霹靂でした。

それから2年、皆様のおかげで「秋田つながり」を強く実感しながら、

単身赴任生活を思いきりエンジョイすることができたように思います。

赴任してすぐのこと。不案内な宿舎(豊島区要町)付近を散策していて、

スマホのバッテリーがなくなり、地図検索ができずに帰宅困難を経験しまし

た。

別の日、地下鉄有楽町線要町駅の自動販売機で定期を買おうとして

右往左往していたら、後ろに大行列ができて大汗をかいてしまいました。

あとで「お上りさん」だなぁとつくづく思った次第。

またある日、飲んで終電で宿舎に戻ったら、職場(千代田区平河町)に

部屋の鍵を忘れている。仕方なく大枚はたいてタクシーで取りに戻り、

親切な運転手さんの説明で夜中の都内ドライブとなったことがありました。

2018年の夏は金足農業が日本に旋風を巻き起こした熱い夏でした。

決勝では大阪桐蔭高校と当たり、同じフロアーに大阪府の東京事務所が

あったことから、試合開始前に大阪の所長さんとエールを交換しました。

このときは、新宿のスポーツバーにパブリックビューイングを設けて、

大勢の在京県人の方々が来てくれて一体となって夢中で応援しました。

2019年1月には第53回献血運動推進大会で秋田入りする皇太同妃殿下

(現天皇皇后両陛下)の羽田空港でのお見送りとお出迎えの任を務めさせて

いただいたシーンが知らぬ間に某中央紙のデジタルニュースにアップされ、

その写真は我が家の宝物となっています。

ロシアのオリンピック選手、フィギア金メダルのザギトワ選手へ秋田県の

「マサル」がプレゼントされてり、男鹿のなまはげが世界遺産に登録される

などの「秋田つながり」のうれしいニュースがあったことも記憶に残ってい

ます。

東京で開催される様々な秋田の観光や物産などのキャンペーン、

販売促進活動など、秋田のアピールにつながるイベントや催事にも数多く

参加させていただきました。

東京暮らしでは、秋田県人会やふるさと会の存在は特に印象強いものでし
た。

例えば、板橋区秋田県人会、秋田・美郷町ふるさと会、雄水会(秋田商業高

校同窓会東京支部)、NPO法人秋田ふるさと応援団、首都圏秋田県人会連

合会など首都圏には180を超える秋田県人会、ふるさと会があったと記憶

しています。

春と秋の総会シーズンには、在京のたくさんの関係者が集まって旧交を温め

趣向を凝らした会が催されます。

多くの会からご案内をいただき、気合を入れて参加しました。

霞ヶ関の各省庁にも秋田県出身者や秋田勤務経験者が集う秋田県人会があっ

て、「秋田つながり」で仕事でも何かと面倒を見てもらいました。

秋田県人会の懇親会では最後に「ふるさと」や「秋田県民歌」を大合唱しま

す。

毎回、皆さんの秋田に対する思いが伝わってくる。一緒に歌うたびに目頭が

熱くなったものです。

たった2年間の東京暮らしでしたが、こうした思い出を書き出したらとまり

そうにありません。

在京の秋田関係者のふるさと秋田への思いと「秋田つながり」を改めて

認識させられた2年間でした。

さて、2年間の単身赴任生活を終え、肝臓を壊すことなく無事、秋田に戻っ

た私ですが、おかげさまで趣味の合気道の稽古やミニ菜園の手入れなどに

精を出し、元気に日々を過ごしています。

そして秋田の良さを再認識させられています。

空気がうまい、食べ物がうまい、自然豊か、人情も豊かなど、これまで

当たり前だったものが、当たり前ではない、ことさらすばらしいことだと

感じるようになっています。

2020年は、コロナウイルスの影響でほとんど首都圏との行き来ができま

せんでした。大曲の花火や竿灯祭りだけでなく、地域の小さな夏祭りも、

中止や自粛となり、残念ですし、とても寂しい限りです。

でも、「秋田つながり」は永遠です。

秋田は、ご承知のとおり、今、人口減少、少子高齢化の大きな波の真っただ

中にあります。そんな中でも、一人ひとりが秋田の良さや素晴らしさを実感

しながら元気でやっています。

首都圏の皆様には、いつでも「秋田つながり」を確かめに秋田に来てくださ

い。私も時々、そっちへ行って、「秋田つながり」を笑顔と秋田のお酒で

実感したいと思っています。

その際は、また、よろしくお願いいたしますので(笑)

敬 具